いろいろな起業 起業家たちの「生き方・歩き方」

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有機野菜の八百屋開店を志す 夫婦で野菜の行商から始め、一年後に開店
東城りう子さんの写真 東城りう子 ぱんぷきん
安全でおいしい物を売りたくて、有機野菜の八百屋を開いた

 「小売店は『街の灯』だと思うんです。帰り道、お店の灯りが見えるとほっとするでしょう?」 22年前に無農薬野菜に出会い、6年後、野菜のトラック販売から始めて有機野菜の八百屋を開店した東城さんは、お客さんと、子育てについて、食について、そして世間話、といろんな話ができる対面販売にこだわっています。「『人の心の行きかう場』『ほっとする場』をつくりたいんです。」

起業のきっかけ 「世の中を耕そう」という人たちに出会って

コンテンツ(もくじ)
『有機農業を広げ、世の中を耕そう』という団体に出会って

トラックに野菜を積んで
店舗の決め手は「北向き」
人生で最悪の時期
生産者と消費者の間で悩みながら
閉店の危機を乗り越えて

起業参考ポイント
ターニングポイントもっと知りたい
データ


『有機農業を広げ、世の中を耕そう』という団体に出会って
店内写真 22年前、東城さんは2人目の子育て中でした。重症のアトピーの子どもを持つ友人に誘われて、無農薬野菜の共同購入を始めました。その後、縁あって、自然食品の店でアルバイト。その店で、「有機農業を広げよう」というテーマの下に設立された団体に出会います。「『世の中を良くしよう、耕そう』という考え方に共鳴し、無農薬野菜を売る八百屋をしようと思い立ったんです。面白い生き方ができる、と思いました。人のため、世の中のために良い仕事。自分の考えていることが毎日生かせて、安全でおいしい物を売って、自分たちも食べていけるって。30代半ばの自分の気持ちにぴったり合ったんですね。」

トラックに野菜を積んで
 夫も賛同し、会社を辞めました。とにかくお金をかけずに始めようと150万円でトラックを買い、野菜を積んで行商(曳き売りという)すること1年間。当時、東城さんが熱心に取り組んでいた地域の文庫活動で知り合ったお母さんたちの中に、食の安全性や環境問題に関心の高い人たちがたくさんいたのです。「その方たちの家の前やお子さんの幼稚園をポイントに回っていました。ちょうど、公害や添加物の問題が出てきて、産直運動などが盛んな時期だったんです。かなり広い範囲を回っていましたよ。」

店舗の決め手は「北向き」
 1989年7月、東城さん夫婦は、最寄りの2つの駅から、徒歩10分ぐらい、大きなスーパーへの通り道に【ぱんぷきん】を開店しました。「この場所には偶然出会いましたが、北向きだったことが一番の決め手でした。野菜を並べるので、日当たりがよくては困るのです。」店の内装にもお金はかけず、棚や台は友人の手作りで。夫はトラックでの販売を続け、店は東城さんが一手に引き受けました。「野菜だけではなく、石鹸など環境にやさしいものも売るようになりました。私が読んで勉強になった本などを自由に読めるように置いたり、子連れのお客さんのために絵本や積み木を置いたりもしました。」

人生で最悪の時期
 子どもは学童・保育所に預け、朝から晩まで忙しい毎日が続きます。ところが、開店してから5年後、夫が過労で倒れ、他界してしまったのです。「私の人生で最悪の時期でした。でも、店を閉めようとは思わなかった。独りで子どもを育てていかなければならないのですから。」配達のために40歳にして運転免許を取得。「以前していた文庫活動の仲間たちに支えられて、つらい時期を乗り越えることができました。」

素敵なお店の看板生産者と消費者の間で悩みながら
 この3〜4年、新しいお客さんがあまり増えず、また、離れていくお客さんも多いといいます。「無農薬有機栽培の野菜・お米は本当においしいのです。しかし、生産に手間がかかるので、価格は少し高めになります。販売方法や店のあり方など、もっと努力しなければと思っています。」

閉店の危機を乗り越えて
  実は、昨年末、東城さんは一度、お店を閉める決心をしました。店の経営が厳しいことに加え、年齢による体力の衰えを感じたことなどが原因でした。しかし、志をひとつにした仲間たちと話し合いを重ね、生産者と消費者との接点である店の存在意義を再確認し、続ける決心をしたのです。「私にとって、必要な時間だったのかもしれません。今は、気持ちはさわやかです。これからは、まず、お店を維持していくことが第一。そのために、チラシやDMで発信する。そして、料理が大好きなので、お惣菜を作って売ったり、野菜を食べてもらうための料理講習をしたい。これにはぜひ仲間がほしいです。お店の一角に貸しスペースを作って、手作り品を売ったり、また、カフェコーナーも作りたいです。いろいろ大変なことも多いのですが、この仕事をしようという人がたくさん出てきてほしいですね。」

起業参考ポイント
・行商からはじめた
・店舗決定のポイントは「北向き」
・お金をかけずに店内改装
ターニングポイント

1982年 無農薬野菜の共同購入を始める
重症のアトピーの子どものお母さんに誘われて。
1985年 自然食品店でアルバイト
「ポラン広場」という団体(現在はPOFA 「ポラン広場有機農業協会」)で、日本の農業や食について真剣に考えている魅力的な人たちにたくさん出会った。
1988年 トラックで行商(曳き売り)を始める
1989年 【ぱんぷきん】開店
1994年 夫が他界。運転免許を取り配達を始める
2004年末 店を閉めようと思う
2005年1月 店を続ける決心をする
 


【自分のために続けていること】
・毎晩、寝る前に、お医者さんに教えてもらった4つのヨガのポーズを10分ぐらいかけてやっている。ヨガはインドの哲学を体現したものだと聞いてからは、一日を振り返ったり、果ては世界平和について考えたりする瞑想の時間に。「これが私にとって、とってもいい時間なんですよ。」
【最近の楽しみ】
・娘の吹奏楽の「追っかけ」
・月に2回、長女に店を任せ、ライヴや映画に行ったりしてリフレッシュ。
 
 

代表者名 東城りう子 (とうじょう りうこ)
屋号(なまえ) ぱんぷきん
取り扱い商品 有機農産物、減農薬・減化学肥料農産物、環境にやさしい商品
所在地 京都市伏見区深草柴田屋敷町11 荒木ハイツ 
連絡先 TEL/FAX  075-643-6469
Homepage  
E-mail  
定休日 第1・3・5日曜日
営業時間 日・祝…11:00〜17:00  平日…11:00〜18:30
起業年月日 1988年(行商) 1989年(開店)
開店準備金 300万円(自己資金100万円・銀行借入200万円)
その他

店舗の広さ 約8.5畳  
家賃10万円/月
年商 約2000万円
平均来客数 約850人/月

仕事の満足度… 夢実現度… プライベートの充実度… 経済的満足度…0
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