| 初めての吹きガラス体験
東さんは、結婚してすぐ、ステンドグラスの教室に、次に、カルチャースクールのガラス工芸の講座に通いました。受講生仲間に、リサイクルガラスの工房を教えられ、初めて吹きガラスを体験。実は、以前から吹きガラスに興味を持っていた東さん。「『やっぱり、これや!』と思いました。」そして、お酒のビンをリサイクルして使う吹きガラスにのめりこんだのです。初めてのグループ展は、「リサイクルの吹きガラス」というのが当時は珍しかったこともあり、新聞にも取り上げられ、たくさんの人が来たそうです。「皆、『お酒のビンがこんなにすてきなコップや鉢になるなんてね。』と驚いていました。自分の作った物が人に好まれて旅立っていくのは、とてもうれしかったです。」
赤ちゃんを連れて工房に通う
リサイクル吹きガラスを5年ぐらい習い、その後、個人の工房では日本で最大級の『奈良ガラス工房』に通い始めた東さんは、新倉晴比古先生に出会って、ますます吹きガラスに熱中しました。「二人目の子の出産間近まで大きなおなかで通って、産後も2か月目ぐらいから子連れで毎週通いました。子どもが動き回るようになると、私が吹く番のときは、皆さんが交代で遊んでくれました。工房内は熱い上に大きな工具機械がたくさんあり、小さい子どもを連れて行くのはかなりの冒険でしたが、どの工房でも先生はじめスタッフの皆さんの協力でガラスを学び続けることができました。」
念願の自宅工房を持った
5年前、自宅を引っ越すことになったとき、工房が作れるようなところを探しました。家に隣接する工房を建て、フュージング用の電気炉と、バーナーワーク用のバーナーと、吹きガラス用の小型の溶解炉を入れました。
家族の協力
「自宅工房は便利ですよ。吹きガラスは、途中で竿からガラスを切り離し別の竿につける作業をしますが、とても大事な作業で、助手が必要です。小学2年生と4歳の娘が良い相方で、案外役に立ちます。」ずっとガラス作りを見て育っているので、火を使っている作業でも怖がらないそうです。「ちょっと手伝っただけでも、『これは○○が作ったコップだよねー』なんて言ってますよ。」夫は東さんのやっていることに協力的です。「彼は仕事とは別にバンドをやっています。彼が詩やメロディーで表現するように、私もガラスで何かを表現できればいいと思っています。お互いを尊重しあえる関係です。」
 発表の場を自分でつくる
東さんは積極的に作品を発表しています。7年ほど前から、手作り市やデパートにも出店していますが、場所取りや販売ノルマの厳しさを痛感。「私は儲けたいのではなくて、自分が創ったものを見てもらって、使ってもらって、手作りの楽しさを知ってもらいたいのです。」それなら新しい発表の場を自分たちで作ろうと、2002年、手づくり作家の会「五里2(ごりごり)のさと手づくりの会」を結成し、クラフトフェスタを企画・主催しました。この会は、京都からも奈良からも五里のところにあるので「五里の里」と呼ばれる城陽市に在住する作家たちが中心となり結成され、現在30組ほどの作家がクラフト展「五里2のさとクラフトフェスタ」に参加しています。
これから
最近、近所の方からの要望でガラス教室を始めました。また、子ども会の行事や卒園記念品に子どもたちとアクセサリーなどを作ったそうです。「教室やカルチャーでは『先生』と呼ばれますが、いわゆる『先生』にはなりたくありません。ガラスを通して、いろいろな人と、子どもたちと関わる中で、こちらが学ぶことがたくさんあります。“教える”というより一緒に楽しむ・作る喜びを共感しあいたいです。」ガラスの創作に関しては、満足することはないという東さん。「今、耐熱ガラスを使ったバーナーワークを習っています。これが、普通の吹きガラスとまた違って面白いんですよ。」
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